一流スポーツ選手の人材育成
お正月恒例の高校サッカーで優勝した青森山田高校のキーパーが育つ過程には、コーチとの熱い物語がありました。
箱根駅伝10区で区間賞をとった選手はある事をきっかけに成長を遂げました。
2つのニュースを見て「人材育成の道はビジネスもスポーツも同じ」だと改めて思いました。
・本気でぶつかり信頼し合える上司と部下の関係ができていますか?
・社内の常識にとらわれず、外の優れた事例に学び、自己研鑽できていますか?
青森山田高校に見るコーチと選手の熱き信頼関係
今年の全国高校サッカー選手権で優勝したのは青森山田高校でした。
その青森山田のゴールキーパーである廣末選手は身長が176センチ、全国レベルのキーパーにしては背が高くありません。
そして廣末選手を二人三脚で指導したコーチは更に低く173センチ。キーパーとして才能はあったけど身長が低くてプロになれなかった方です。
コーチはその経験や悔しさを原動力に廣末選手に伝授してきたようです。
この2人の3年間はざっとこんな感じです。
目をギラギラさせた廣末選手が入部 → コーチは目をかけて育てる → 廣末選手はすぐに活躍するが気持ちが緩みはじめる → コーチは精神面を厳しく指導 → ある時2人は衝突 → その後仲直りして本音でぶつかり固い信頼関係を築く → 廣末選手は飛躍的に成長し、全国優勝。FC東京の内定獲得
今後廣末選手はプロとして活躍が期待されますが、これほどの選手を育てる過程では、じっくり寄り添ったコーチの存在があったのです。
お互い最初から上手くいかず衝突や葛藤がありましたが、我慢の時を経て、最後はコーチへの全幅の信頼が全国優勝という成果をもたらしました。
ビジネスにおいては、ここまでべったり指導してくれる存在はなかなかいないかもしれません。
ただ優れたビジネスパーソンに話を聞くと、必ず何人かの恩師の名前が出てきます。
「あの人がいたから今の自分がある」みたいなストーリーが必ずあります。
会社の人材育成というとマスの話になりがちですが、実は単純で廣末選手とコーチみたいな関係が幾つ存在しているかが大切です。
その繋がりが多い会社ほど、優れた人材がどんどん出てくるのではないでしょうか。
箱根駅伝区間賞をとった成長のきっかけとは?
箱根駅伝にも面白い話がありました。
10区で”幻の区間賞”をとったのは、学生連合チームに所属する東京国際大の照井選手(4年生)です。
照井選手は2年生の時に、駅伝界トップを行く青学大と東洋大の合宿に参加したそうです。
参加してみたら、練習の質、意欲、食事、睡眠などあらゆる面で圧倒的な差を認識しました。
その経験を自分の大学に持ち帰り、トップ校並みの練習と目標設定を自らに課し、今回の区間賞につながりました。良いものを素直に学び、苦しくてもやり抜いた姿勢が本当に素晴らしいと思います。
照井選手は他の大学の優れた事例を偶然にも知ったところから成長が加速しました。
同じ駅伝というスポーツでも、学校が違えばやっている練習も全然違い、その違いの積み重ねが結果の差になるわけです。
ビジネスパーソンも同様で、自分の能力が世の中でどの水準にあるかは、社内を見ているだけではわかりません。どうしてもたこつぼに陥りがちです。
もっと武者修行に出てみる!
簡単なところから始めるなら、交流会でも飲み会でも外部研修でもいいですね。他の会社の人がどんな仕事をしているか知るだけでも学びがあります。
転職して実力を試すのもあり。今の時代なら副業で小手試しするのもあり。
やり方はひとそれぞれですが、他人の事例は本当に参考になると思います。
※ 筆者(竹居 淳一)Facebookアカウント https://www.facebook.com/junichi.takei.58
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