転職回数が多い人は忠誠心がないと思われるか?

37H

タイトルの質問は、実はお隣中国のある求職者が投げかけた問いです。

私は4年間中国で人材紹介ビジネスをやっていましたが、中国は日本に比べて遥かに転職率の高い国です。

経営者にとっては厳しい環境ですが、個人は自分のキャリアを真剣に考えながらシビアに職場を選びます。とはいえ完全にドライなわけでもなく、会社への愛着や忠誠心も持ち合わせている側面もあります。

転職が多いと忠誠心がないと思われるか?

ではこの問いに対して、中国人のキャリアアドバイザーらがどのようにアドバイスしたか、ご紹介します。

日本とは随分ギャップのある回答もあれば、本質をついた解もあって面白いです。

一概には言えない。沢山の会社を経験しているのは強みだが、在籍期間が毎回1年とか2年では、自己中心的な性格又はお金のための転職と思われる

転職の理由がまともであれば気にしないが、お金のためだけに転職していると思われたら、社長は欲しがらない。

忠誠心は会社と個人がお互いに発揮するもの。会社のために散々尽くしたのに見返りがなければ忠誠心を発揮する意味がない。

アリババの馬雲は言っている。人が会社をやめる理由は2つ。1つは給料が低い、もう1つは会社に未来がない。2つともなければ間違いなくやめる。その観点で自分の会社を見たらいい。

金融危機の時に多くの人がリストラされた。その時に会社に残れたのは、忠誠度の高い社員ではなく優秀な社員。会社が重視するのは能力が第一で、忠誠心は参考にするだけ。

会社が求める忠誠心とは本来、仕事への責任感と意欲的な態度のはず。責任感や意欲の伴わない忠誠心など意味がない。大手外資系企業には、一見忠誠心は高いけど、ポジションを守ることに懸命で仕事は守りに入っている人が沢山いる。そんな忠誠心は企業は必要としていないはず。

日本では1つの会社で一生過ごす人が多いが、それは企業の成熟度や管理レベルが高いから。中国の民間企業はまだ未熟で、多くの社長は自分が儲けることしか考えていない。だから今の段階で転職が多いのはしょうがない。

忠誠度で考えるのはおかしい。優勝劣敗は自然の摂理。社員がやめるという事は、企業の発展スピードが当該社員個人の発展スピードに追い付いていない事を意味する。逆に企業の成長スピードに社員がついていけなければ、その社員はやめるしかない。

会社と個人は対等の関係。現代は奴隷社会ではない。会社が社員に忠誠心を求めるなら、会社も社員に与えるべき。求めるだけでは人はついていかない。

上記のようなアドバイスが出ていました。結構合理的でまともな意見が多いと思いませんか。

もし日本でこの質問が出たら、どんなアドバイスをしてもらえるでしょうか?

私は忠誠心という言葉はあまり良くないなと思いました。

組織で働く以上、共に働く仲間やそこに存在する規律や理念を尊重することはとても大切です。

しかし忠誠心というと、盲目的に自分の組織や上司に追随するニュアンスが強く、そういう忠誠心は結果として組織を弱め、自分自身も弱めてしまいます。

中国人のアドバイスの1つにあったように、高い意欲と責任感をもって仕事をしている人ならば、転職回数の多寡に関係なく、必要とされる人材になるのではないでしょうか。

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