会社は Loveより Likeぐらいがちょうどいい

love-beans-caffeine-coffee

「会社が大好き(Love)」にはマイナス作用がある

先日ある会社の入社5年目の若手社員と話をしていたら「私、この会社が大好きなんです。だから会社のためならどんな仕事でも頑張ります!」という発言がありました。

発言を聞いた時、会社に思い入れがあるのは素敵だなと思う一方、諸刃の剣だなと感じてしまいました。

なぜなら、「会社が大好き(Love)」な人は、長期的には会社に対しても自分のキャリアに対してもマイナス作用をもたらしかねないからです。

会社を好きなのはいい事です。だけど必要以上に愛し過ぎない。

” Love ” までいかず ” Like ” 程度がちょうどいいのではないでしょうか。

会社のためにも、自分のキャリアのためにも。

会社大好き人間が会社に及ぼすマイナス作用

なぜ会社が大好き(Love)だと、会社にマイナス作用を及ぼすのでしょうか?

「会社が大好き」の真意は大抵「そこで働く仲間(上司・部下・同僚)が好き」に近い感覚です。そこにいる仲間達が作り出している文化、雰囲気、会話、温度間、関係性といったものが好きなのです。

どちらかというと内側にベクトルが向かう感覚、変化より安定を好む感覚なんですよね。

だから会社の拡大期に外から違う文化を持つ人が入ってくると、アレルギー反応を起こし、相手を否定するポーズをとったりします。

会社の変革期には過去のやり方を創造的に破壊し、大いなる変化が必要です。

しかし会社Loveの人は、過去の会社の姿を必死に守りたくなります。無駄な会議、無駄な残業、行き過ぎた徒弟制度などがなくならないのは、それを守りたい人達がいるからだったりします。

もっと恐ろしい負の作用もあります。好きな仲間達の一部に不正行為が発覚しても、それを見逃したり、本意ではないにしても従ったりします。

いずれも「会社が大好き」であるが故に、逆に会社が望まない行動をとってしまうのです。好き過ぎてストーカーになってしまうようなものでしょうか。

「会社が大好き」は個人のキャリアにもマイナス

「会社が大好き」だと、個人のキャリアにとってもマイナス作用が働きます。

会社Loveの人が気を付けるべきは、色んな職種を経験しているけど専門性が殆ど育たないケースです。

会社へのロイヤリティが高いので、会社がその時に困っている仕事を任されます。どちらかというと他の人がやりたがらない仕事も任されます。

会社にとっては非常に有難い存在ですが、本人の経験はつまみ食いになり、確固たる職業の柱が育っていきません。

せっかく会社のために頑張っているのに、会社が発展した頃、実は何も専門性がない事に気づきます。価値を発揮できる場所がなくなり、部下からもレスペクトされず、転職しようと思ってもなかなかできないという問題に直面するのです。

「会社が大好き」な人は転職してからも苦労する

「会社が大好き」が強い人は、転職してからも苦労しやすいです。

元々いた会社を肯定する気持ちが強すぎるため、新しい転職先を否定しがちです。元いた会社が正しいという色眼鏡をかけて物事を見るので、何かとマイナスに映るのです。

これをやると本人も辛いし、周りもいい気持ちがしないため、転職先で受け入れられず、つまずいてしまいます。

どんな環境でも、自ら選ぶ姿勢が大切

小さい会社にいる人は、じゃあどうすりゃいいんだ?と思うかもしれません。

小さい会社は一人が何役もこなす必要があります。特定の職種の専門性をつけるのは確かに難しい環境です。そこで歯を食いしばって頑張るのも必ず財産になります。

しかし会社からお願いされた仕事をただこなし続けていては未来が開けません。

自分はどの分野で力を伸ばし、どういうキャリアを歩んでいくか、タイミングを見ながら能動的に仕事を選んでいくべきです。

経営陣や上司が未来永劫同じであれば、多少能力が低くても昔の功労者として面倒を見てもらえるかもしれません。しかし社長や上司が変わったらどうなるでしょうか?

どんな環境であれ、今の心地良い状態が未来永劫続くとは思わず、一歩先を見て成長の備えをしておく。

それが結果として、会社にとっても自分にとってもハッピーな形になるのです。

Loveまでいくと、失いたくない、ずっと一緒にいたい、守りたい、となります。

Likeは少し距離をおいて冷静に見た「好き」なので、Likeぐらいがちょうどいい。

Likeのほうが、会社のために思い切った判断や果敢な行動ができる人材になれると思います。

本ブログは新しいブログメディア『ツドイカツヤク研究所』に移転いたしました。
人材育成、組織活性化、経営、キャリアなどをテーマにお役立ち情報を発信しているブログです。
よろしければ是非ご覧頂けたら大変嬉しいです。

⇒ ツドイカツヤク研究所https://tsudoi-katsuyaku.com

筆者facebookhttps://www.facebook.com/junichi.takei.58

本ブログを継続的にチェックされる場合、下記ボタンよりフォローをお願い致します!