日本人の給料はこれからの時代どのように変化していくでしょうか?
先回、今後日本人の収入格差が更に広がる可能性についてふれました。
今回は、「日本人の平均給料は今後上がらない?」と予想する理由について書きます。
ビジネスパースンが皆イキイキ楽しく幸せなキャリアをつくっていく上で給料は大切な問題です。ある程度経済的にゆとりを持つことは必要条件の1つです。
しかし今後日本人の平均的な給料が上がらないとすると、普通にやっていては収入は上がりません。自分の収入を高めていくために何をすべきか考える必要があります。
その前提として給料が上がりにくい背景を理解しておくことも大事だと思います。
給料の上がらない背景
まず分かりやすいところからいくと、自分の給料を手取りで考えてみて下さい。額面ではなく手取りです。
過去に皆さんも経験されているように、年金、健康保険、介護保険などの社会保険負担額が確実に増えてきましたね。日本の社会保険負担コストは今後上がることはあっても下がることはないでしょう。つまり額面給料が横ばいなら、手取りは減少します。
次に為替や物価を考えてみます。もし給料が上がっても、物価がそれ以上に上がっていたら実質の給料は上がった事になりません。消費税8%上げ以降、物価が随分上がったと感じている方は多いと思います。
今後日本の経済は円安、インフレ傾向にあります。政府も財政政策としてそれを積極的に推し進めています。円安になれば自分の貰っているお金の価値が相対的に下がります。海外からの原材料や輸入品購入コストが上がり海外旅行の負担も重くなります。
インフレが進めば物価が上がり、同じ給料で買えるものが少なくなります。 勿論インフレになれば給料の金額も上がっていきますが、大抵物価が上がる現象から何歩か遅れて追随上昇するだけので、実質的な価値は上がりません。
円安、インフレが進めば、給料の実質的な価値は下がる方向にあります。
海外ビジネス強化のために日本国内の人件費は上げられない
続いて企業内部の状況を考えます。
日本は2010年から人口減少が始まり今後も加速していくため、基本的に経済のパイは小さくならざるを得ません。これは簡単には抗えない事実です。
この現象に対して企業はどうしたか。企業は成長を求められる存在だから、当然海外市場に積極的に出ていきました。今後もこの傾向は更に加速するでしょう。
しかし海外に出ていくためにはお金が必要です。海外事業を立ち上げた後も当面は利益が出ないため、その損失は本社が負担しなければなりません。つまり海外に出て行くための主な財源は日本で稼いだ利益なので、企業は日本で沢山利益を出しておきたいのです。
ところが日本は人口減少社会なので国内売上拡大はあまり期待できません。それでも利益を出すにはコストを抑えるしかないので、日本の人件費を上げるという意思決定が非常にしづらいのです。取引先に払う費用も抑えるので、取引先側の会社も同様に余裕がなく、社員の給料を簡単には上げられません。
今安倍総理が必死に経済団体へ給与アップを働きかけていますが、企業経営者が慎重なのはこういう理由だと想定できます。
以上のような背景があるため、日本人全体の平均的な給料はとても上がりづらい環境にあると思います。
この環境下でビジネスパースンが収入を伸ばしていくには、同じ仕事をより少ない人数でやる、無駄な仕事を徹底的になくす、停滞している企業から成長企業に人材がシフトする、皆が自分の強みを生かし得意な能力を発揮して稼ぐ、などが欠かせません。
これについては次の機会にふれたいと思います。
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