2015年を通じて見えてきた、雇用市場で加速する3つの動き

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2015年もいよいよ今日が最後の日ですね。

私は年末とても慌ただしかったので、あまり大晦日気分ではありませんが、今日は息子の塾の送迎でたっぷり時間があるので、今年1年を振り返る時間にあてたいと思います。

(今、新小岩のカフェでこれを書いていますが、1Fの喫煙席は満席、2Fの禁煙席はガラガラという、世のトレンドの完全逆張りですね、この街は(笑) )

さて、2015年の雇用市場は総じて堅調でしたが、その中で幾つか加速した動きがあったと思います。

・世の中が求める仕事と働き手の求める仕事のミスマッチ

・グローバルな仕事の増加

・仕事に対する正義と倫理観の芽生え

世の中が求める仕事と働き手の求める仕事のミスマッチ

11月の有効求人倍率は1.25倍で、1992年1月以来の高水準。3年前は0.82倍だったので、何と50%も上昇しました。

この内訳をみると、今の労働市場の特徴が見えてきます。

2015年は3年前の2012年と比べて、新規求人が136万件(1-11月ベース)増加しましたが、そのうち「宿泊・飲食」「医療・介護」「小売り」の3業種だけで78万件、6割近くを占めます。

職業別でみると、3年前に比べて有効求人倍率が顕著に上昇しているのは、販売、飲食調理、生産工程、清掃、包装などです。

ここから読み取れることは何でしょうか?

求人増を牽引しているのは、医療介護、インバウンド(ホテル、小売り、観光など)、グローバルに強い製造業といった業種群です。

ところが、これらの業種で求められる人材は、接客や介護、単純作業系など働き手から人気のない仕事が中心なので、恒常的な人手不足が生じています。

一方で管理的職業の求人数も大きく伸びています。高度な専門性と能力を備えたホワイトカラーが求められていますが、こちらもその要求に見合う人材が少なく、マッチングが思うように進みません。

今の時代は、高度な専門能力を要求される仕事と、現場の接客や単純作業という両極端の求人が多い構造です。しかし働き手の多くはその真ん中に位置する普通のホワイトカラー層なので、両側どちらにも適合しないミスマッチが生じています。

世の中で求められる仕事が変わりつつあるのに、人の意識や能力は変わっておらず、そのズレが拡大しつつあると感じました。

グローバルな仕事の増加

日本企業による海外企業のM&Aは、11月時点で10兆円を超え過去最高となりました。

人口が減る日本の国内市場は、車も食品も衣料も縮小トレンド。座して待っていたら確実にシュリンクしていくので、企業は今後もM&Aで海外の成長市場をどんどん取りにいくでしょう。

これに伴い、海外事業を統括したり、本社と現地子会社の融合を進めたり、そういうマージナルな仕事が増えていきます。

海外で働くチャンスも増えますが、世界中の人材と同じ土俵で戦っていく覚悟が欠かせません。

伊藤忠が、「社員の4人の1人に中国語を習得させる」と発表したのはインパクトがありましたね。

中国事業に巨額投資した伊藤忠。本気で戦うには語学力から根本的に鍛えていかないと難しいという覚悟のあらわれです。

今年はTPP合意もありました。日本の優れた製品を海外に拡販する大きなチャンスです。

それに伴い、海外進出、販路開拓、貿易、輸出入、グローバル商品企画などの海外関連業務が増え、英語はますます必要とされる筈です。

単に英語ができるだけではなく、対象国の市場や文化に精通し、企画や現地パートナーとの関係構築、ビジネススキーム作りなどができる人材が更に求められるでしょう。

仕事に対する正義と倫理観の芽生え

東芝、旭化成建材、フォルクスワーゲン・・不祥事が目立ったのも今年の特徴でした。

東芝のリストラを見ていると、実は殆どの事業が傷んでいた事が露呈し、顧客、株主、取引先に及ぼした損害は計り知れないものがあります。

サラリーマンがやってはいけない事と分かっていながら手を染める理由の1つは、モノ申せない上意下達の企業風土。もう1つはそこから逃げ出す経済的リスクの高さ、つまり辞めてもいい仕事に就けないから大人しく従うという構造です。

こういう事態を世の中、特に若い人はどう見るのでしょうか。若者に見本を示すべき大人として、非常に恥ずかしい、格好悪い行為と言わざるを得ません。

経営者であれ、一兵卒であれ、仕事に誠実に向き合い、おかしい事はおかしいと言う正しい倫理観が改めて問われているのではないでしょうか。

自分のためなら、会社のためなら何でもやってよいのか?

今年はピケティ・ブームもあったように、行き過ぎた資本主義、アメリカ的な資本主義を見直す議論が盛んです。

お金や自分の立場のためだけに働くのではなく、もっと社会のため信念をもって働く個人や企業が増え、そういう会社や組織が優れた人材を集める流れが徐々に出てくるのではないでしょうか。

会社が大きい事が必ずしも強みではなくなった今、優秀な人材を惹きつけるルールも変わっていくのだと思います。

今年ブログを読んで下さった皆様方、本当に有難うございました。

私の目標は、働く人々が時代の変化に適応しながら「イキイキ楽しく自立的なキャリア」を歩んでいく社会です。

微力ではありますが、来年もコンサルティング、ビジネストレーニング、キャリアコーチなどを通じて、前進する企業とビジネスパーソンを本気で支援して参ります。

文章を書くというのはなかなか難しいもので、毎回書いては反省の繰り返しですが、来年も頑張って継続して参りますので、暖かい目で見守って頂けたら幸いです。

良いお年をお迎えください!

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 icon-male 竹居淳一 プロフィール:susume.co.jp/blog/page-65
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