人手不足に伴う時代の変化は、個人のキャリアにとってチャンスである

商工会議所調査

中小企業の人手不足への対応

日本商工会議所が中小企業4,072社に対して行った調査の結果が、今の時代を反映していて興味深いです。

「人手不足の対応に関する調査」集計結果(日本商工会議所)

調査対象の殆どは従業員100名以下の中小企業ですが、こうした企業群も時代の課題を抱えながら、着実に世の中が進む方向に歩んでいることがわかります。

調査結果のうち、主だったものをあげてみましょう。

人手が不足  50.2%

一定のキャリアを積んだミドル人材が不足  67.9%

大卒新卒社員が不足  32.1%

女性の活躍推進を実施している  42.8%

女性を管理職に積極登用  44.0%

フレックスタイム等柔軟な勤務制度を導入  25.6%

65歳まで勤務できる会社  71.3%

外国人を自社に受け入れたい  14.7%

外国人採用を推進すべきではない  6.9%

今の日本が直面する課題同様、「人手不足」「経験人材不足」「女性活躍」「定年延長」「柔軟な勤務制度」「外国人採用」といったキーワードが並んでいます。

若手不足は当然予想されましたが、ミドル人材もここまで不足しているんですね。高齢化した社長はいるけど、次を託す世代が育っていない危機感が伝わってきます。

女性活躍というと大企業の取り組みが進んでいるように感じますが、人がいない中小企業こそ真剣に取り組んでいる印象を受けました。

65歳まで働くのは、もはやスタンダードですね。70歳に伸びる日も遠くないでしょう。

外国人採用を避けて通れないことも皆認識されているようです。

人手不足の時代は、個人のキャリアにとってチャンス

調査結果はいずれも今の日本のトレンドです。景気の影響で上下することはあっても、大きな流れは変わらないでしょう。

この流れは企業にとっては困難が多い道ですが、働く個人のキャリアの観点からみるとチャンスの時代です。

なぜなら、仕事の選択肢が増えます。良い仕事の経験を蓄積した人は中小企業で活躍できる機会が沢山あります。

性別や国籍による差別はどんどん減少し、職場のダイバーシティは高まります。

個人の事情に合わせた柔軟な働き方も可能になっていきます。望めば70歳まで現役で働くこともできます。

10年前までは35歳以上の転職は無理と言われ、女性の管理職は殆どいなかったわけですから、ここ数年の変化は非常に大きく、キャリアの選択肢や可能性は飛躍的に広がっているのです。

「働き方の個性」の解放

20歳から70歳まで働くとしたら仕事人生は50年です。

恐らく50年間ずっと同じ会社で働き続ける人は稀でしょう。アクセル全開で働く時もあれば、子育てや介護でペースダウン、世界旅行や趣味で休職する時もあるかもしれません。育児休職する男性も増えるでしょう。

1社でどっぷり働く時もあれば、複数の会社で同時に働いたり、本業と副業の2本立てもあるでしょう。仕事は最低限に抑え、趣味や生活を楽しむ人も増えていきます。勿論1社で定年まで勤め上げるのも素晴らしいです。

色んな考え方の人がいて、色んな働き方や選択が許容される時代に向かっていく筈です。多様性を受け入れながら、企業と個人、個人と個人が、最適な形で共存し合える道を開いていかなければなりません。

自己責任の下で、「働き方の個性」が解放されていく時代なのだと思います。

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