とんかつ屋で見た、イキイキ幸せな働き方の原点

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先日ランチ時に都内のとんかつ屋に行きました。

とんかつ屋の長い無垢のカウンターは本当にいいですね。大木から切り出された板の手触りや木目が自然の恵みを感じさせてくれ、豊かな気持ちになります。

注文したロースかつ定食は何と700円、厚くて柔らかいお肉の高いコストパフォーマンスに大満足でした。

だけどこのお店で私が一番感動したのは、そこで働く人達の姿でした。 イキイキ幸せな働き方の原点を感じさせてくれたからです。

とんかつ屋での感動

何に感動したかというと、まずお店の雰囲気が抜群です。10数坪、カウンター席のみの空間が、何というか暖かい空気に満ち溢れているのです。どうしてなんだろう?と思って見ていると、5人の店員達が皆とても楽しそうに働いています。きびきび動きつつ、時々冗談も言い合いながら、皆が本当に自然ないい表情をしています。

仕事の連携も素晴らしく、お互いの動きに無駄がありません。調理、盛り付け、配膳、接客、レジなどが完璧にシームレスに連携されています。

飲食店であれ会社であれ、皆がここまで楽しそうに素敵な表情で働いている職場は滅多にないと思います。しかも見事なまでのチームプレーの源は何なのでしょうか?

商売の原点を外さない

私はそこに商売の原点を感じました

まずお客様を大切にする信念があります。お客様に喜ばれる良い商品(とんかつ)があります。そして店員同士が信頼し合い、お互いに愛情があり、仕事を楽しんでいます。

店員が一生懸命仕事をするからとんかつが更に美味しくなります。

店員同士の醸し出す雰囲気が極上だから、自ずと店の雰囲気も柔らかくなり、来店客の振る舞いも上品になり、それがまたリピート客を呼ぶ好循環です。

多分彼らにランチ時の来店客数目標などない筈です。目標ありきにしたら、客にさっさと食べて帰って欲しいという気持ちが芽生えてしまいます。

彼らが意識しているのは、あくまで美味しいとんかつを丁寧に作り真心込めて提供する事だけですが、それでもひっきりなしに客が訪れるのです。

企業がおかしな方向に行く要因の1つに、不合理かつ過大な目標設定があると思います。私自身も過去そういう反省がありますが、例えば「今年は30%成長!」という目標がまずありきで、それに必要な数字を営業各部署に分配します。現場の声や顧客の声よりも「30%成長」という数字ありきで計画を立てます。

これをやると営業は最初から目標を放棄するか、頑張って達成すべく奮闘するも現実は届かないので、結局押し込み営業したり、精神的に追いつめられ体調を崩したりします。職場の雰囲気も悪化します。こういう営業スタイルは顧客からも評価されず、結局誰も得しません。

素晴らしい商品は素晴らしい社員から生まれるという原理原則

このような問題が起きる背景には、実は多くの会社で、商売上当たり前の原理原則が忘れられていると思います。

「商品を提供する社員がイキイキ楽しく働いていなければ、出来上がる商品も魅力がない」という単純な原理です。

会社は本来、個の力を最大限引き出し、彼らがいい仕事をしてお客様に喜んでもらうサイクルを加速するための器ですが、なぜか多くの組織は個の意欲や活力を阻害するマネジメントに陥ってしまうのです。本当に勿体ない事です。

件のとんかつ屋のオーナーがどなたか私は存じ上げませんが、目先の儲けを最優先したマネジメントはしていないと思います。しかし結果はちゃんと儲けている筈です。

美味しいとんかつに加えて、従業員が楽しんでイキイキ働く環境と相互信頼を作り上げたからこそ、魅力的なお店になり、結果として利益を上げているのです。

私はこの順番がとても大切だと思います。

市場のパイ自体が伸びる産業は「とりあえず30%成長!」みたいな目標設定でも組織を維持できるかもしれません。

しかし限られたパイを取り合う成熟市場では、「良い商品づくり」と「社員がイキイキ働く環境づくり」を地道に追求する会社が、結果として成長と利益を手にできるのではないでしょうか。

素晴らしいランチのひとときと、考える機会をくれたとんかつ屋さんに感謝します。

次はひれカツ定食かな~、お腹まわりが気になるし。

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