ライザップは、減量という継続が大変で途中で挫折しがちなことを、たった2ヶ月で実現できるという驚きで新たな市場を開拓しました

今やその手法をゴルフ、料理、英語などに広げて見事に展開されています。

では組織変革において、ライザップのように2ヶ月で結果が出る特効薬はあるでしょうか?

人の意識を変える方法はありますか?

私がセミナーで講演をさせて頂いた後など、よく聞かれる質問がわあります。

「社員1人1人の意欲を高めるにはどうしたらいいですか?」
「仕事の効率を皆に意識させるにはどうしたらいいですか?」
「管理職に経営者意識を持ってもらうにはどうすればいいですか?

いずれも部下を持つ人が抱く普遍的な悩みではありますが、この質問の裏に、何か特効薬を期待されているニュアンスを感じ取ることがあります

そういう特効薬があればいいなと私も常に考えを巡らしますが、今のところ、聞いたことも見たこともないので、こう答えます。

組織変革や意識改革を一気に解決できる特効薬はないと思います。組織変革は長い道のりですが、多くの会社が道半ばで挫折するからこそ、やり遂げた会社には大いなる競争優位性が生じます」

もっとスカっとする回答を期待したお客様には申し訳ないのですが
経営の真髄は思いと覚悟と持続力だと思っているので、特効薬はない事を理解してもらいます。

組織変革の普遍的な法則

組織変革には、どうも普遍的な法則があるように思います。

<例えば①から②に変革したい場合>
①ルートセールスで定期訪問して注文をさばく営業組織
②顧客ニーズを拾い上げ開発部隊にフィードバックし新製品を次々生みだす営業組織

いきなり全員の意識が変わることはない:
最初は皆一様に「無理だ、経験がない」という。仮に賛同する人がいてもごく少数。徐々に時間とともオセロがひっくり返っていく

上が変わらないのに、下だけ変わることはない:
上の人がこの変革を信じて実践していなければ、下はいわんや

ルール変更だけでは変わらない:
決まり事だけ定めても行動は殆ど変わらない

死の谷が訪れる:
新方式に移行する途上で古いやり方も中途半端になると、売上が下がったり、既存のお客様からクレームが来たりする。それでもひるまず変革を継続するか、目先の業績に負けて凍結するか、岐路に立つ

成功ストーリーが見えてくると周囲の反応が変わる:
先にトライした人を当初は冷ややかに見ているが、上手く行き出すと自分もやろうかなとなる

確固たる信念。ぶれない気持ちが人を動かす:
そもそも変革する目的は何でしょうか? その意図と将来像を皆が理解していれば、苦しい時に乗り越える原動力となる

組織を変革するということは、組織に属する社員の習慣を変えることに他なりません。

ライザップの減量は個人の生活習慣の変革なので短期間が可能ですが、企業変革は人間集団の仕事習慣変革なので、どうしても時間がかかります。

とはいえライザップのコーチ役は企業の組織変革においても重要ですね。継続できるよう、脱落しないようサポートする役割。
それは正に社長であり、幹部であり、管理職の方々ではないでしょうか。

最初の成功事例が2つ目、3つ目を生み出し、やがて大きく動きだす

変革の目指す所を明確に示し、最初は一部の人だけでもいいので変われるところから変えていく。途中で困難が生じてもぶれずにやり抜く。
そうしているうちに1つの成功事例が生まれ、それを伝播させると2つ目の成功事例が生まれ、更に3つ目、4つ目と追随する人が出てくるのです。

こう書いていたら、正に「ビジョナリー・カンパニー2」で描かれた「偉大な企業」の誕生の仕組みと同じ話になってきたので、最後に引用させて頂きます。

『魔法の瞬間はなかったのだ。外部から眺めているものにとっては、一撃によって突破口を開いたようにみえるが、内部で転換を経験したものにとっては、印象が全く違っている。考え抜かれた静かな過程であり、まず、将来に最高の業績を達成するために何が必要なのかを認識し、つぎに、各段階をひとつずつ順にとっていく。弾み車を1回ずつ回転させていくように。弾み車を同じ方向に、長期にわたって押し続けていれば、いずれ必ず突破の時点がくる』

以上、「組織変革にライザップ・メソッドは通用するか?」でした。